耳立て教室などと、たいそうな看板を上げてしまいましたが簡単に言えば、耳を立てた状態にして耳の外側にテープを貼り付けテープの強度で筒状に立たせるという方法です。
ご存知の様に、耳には軟骨があります。この軟骨が折れたままの状態で成長してしまうと、二度と立たなくなります。
シェルティーやコリーを飼ったことのある方ならご存知かと思いますがあの半立ち耳は、わざと軟骨に折れ癖をつけて仕上げたものです。
パピヨンの立ち耳の矯正方法は、この逆を行うものとご理解下さい。
誤解しないで頂きたいのは、パピヨンというものは耳を矯正しないといけない犬種ではないということです。
しかし一部のパピヨンには耳の立ちにくいものがいます。
そのほとんどは簡単な手助けによって、耳を立ててあげる事が可能だと思います。
早い子は翌日には立ちますのですぐはずしてあげ、 また倒れたらつけなおす!というのを繰り返して、最終的に立ち耳にします。
毛の量が多く、重さで倒れてしまう子やかなり立ちにくい子はバリカンで耳の毛を丸刈りにしてしまいます。
テープの種類によってはかぶれる場合がありますので必ず時々はずして様子を見て下さい。
1週間以上つけっぱなしにしてはいけません。
テーピングを行う時期の目安は生後3ヶ月です。
生後6ヶ月を過ぎても、耳の根元からべったり倒れていてまったく立つ気配が無い子は、矯正が難しいかもしれません。
しかし耳の根元が少しでも立ちあがってきて半立ち状態になる気配があれば、可能性は有ります。
いったんは耳が立っていたのがあとからなんらかの原因で耳がたおれてしまうこともあります。
イヤーフリンジの多い子によくあることですがこの場合も倒れている状態が長く続くと、軟骨に折れ癖がついてなかなか立たなくなります。
耳が倒れ出してから、あまり長くそのままの状態だとすでに折れ癖がついているかもしれません。
しかし、イヤーフリンジの多い子の場合はそのままテーピングしてしまうと毛が絡まってしまい毛玉の原因になり、あとから大変なことになってしまいます。
この場合は耳の毛を丸刈りにする方法をお勧めします。
耳の毛はすぐ伸びるので心配は要りません。
それより早く耳を立ててあげないと本当に立たなくなります。
丸刈りにしたお耳は地肌が見えていますのでテープにかぶれ易いですからこまめに付け替えしてあげてください。
もしお耳の毛をきっただけで立つようになるのならあえてテーピングをする必要は無いと思います。
そのまま様子を見てあげてください。
テーピングしたところを気にして掻き毟ってしまったり
壁や床にこすりつけたりする場合はエリザベスカラーを併用することをお勧めします。
4〜5ヶ月以上の月齢の子は器用にテープをはずしてしまうことがありますのでエリザベスカラーを首に巻いて、絶対はずせないようにするといいです。
耳立ちの早い遅いは、耳の大きさや、皮膚や軟骨の質、太り具合などにもよります。
生まれ持った体質を変える事はできませんがより良い環境や体調をととのえてあげることは大事です。
特に太りすぎは耳立ちが遅れる原因のひとつです。
あと、カルシウム不足、運動不足なども耳立ちの遅れる原因です。
もうひとつ大事なのは日光によく当ててあげることです。
両親犬、もしくはそのどちらかがファーレンであるなど、血統によって耳が立ちにくい場合は特に早い時期の矯正をお勧めします。
しかしながら、いくら努力しても効果の無い場合もありますのであらかじめご了承下さい。
なお粘着性のあるテープを直接貼り付けるわけですのではがす時には必ず毛が抜けます。
痛くない様に、毛の流れに沿ってはがしてあげて下さい。
あらかじめ衣服や手に何回か貼り付けたりしてテープの粘着性を弱めておいた方がいいかもしれません。