元気者で向こう見ずなパピヨンは1歳未満に誤って骨折するケースがよくあります。
そのほとんどは高いところから飛び降りたり飼い主の不注意で落下させたりといったことで起こります。

このような事故を防ぐために充分注意してください。
階段にはすべり止めをつけるとか、柵で行き来できないようにしたら良いでしょう。
基本的には階段の上り下りは犬の体にあまり良くありません。

足の裏の毛が伸びてくると滑りやすくなり、運動時に正しくない方向に力がかかるため足の正常な発達を阻害され 足の変形を誘発し膝蓋骨が脱臼しやすい状態になる場合があります。
そのために足の裏の毛は常にパッドからはみ出ない状態にカットし、足の裏がすべるのを防ぐ必要があります。
本来ならばつるつるしたフローリングは足の為に良くないのですが、居住環境の事情でやむをえずフローリングで飼育する場合は、よりいっそうのケアが必要になります。

【膝蓋骨脱臼を未然に防ぐために注意する点】



フローリングはできるだけ避けて、犬の生活する場所には滑らないクッションマットやカーペットを敷く。
室内を走りまわっての運動は控える。
1歳前の発育途中のパピヨンにスポーツ競技等の過度な運動を行わない。
その場でジャンプを繰り返させることは厳禁です。




飼い主に飛びつき2本足で立ちあがったり、足元でジャンプさせる癖をつけない。
飛びつきそうになったらスワレを命じて落ち着かせ、その後誉めてやる。
犬は2本足で歩くようにはできていませんので骨の細い小型犬には厳禁です。
どうしても飛びつく場合は飼い主が犬の目線までしゃがんで犬が立ちあがるのを防ぎましょう。



広い芝生か土の平坦な場所(公園等)での適度な運動と日光浴を心がけ、骨格を正常に保つ努力をしてください。
特に1歳までが最も大切な時期です。




繁殖する側も、ブリーダーの良心にしたがい、骨格の正常でない犬を繁殖に使わないようにすることです。
容易に骨折したり膝蓋骨脱臼になるパピヨンを少しでも減らせるように、正しい骨格を持ったパピヨンを繁殖することが大切だと思います。
 

【子犬の場合】

パルボウィルス感染症:

病犬や保菌犬と直接、またはその便や尿に接触することによって発症します。
主な症状は嘔吐と激しい下痢、食欲の減退で、心筋型の場合は短時間に死亡するケースもあります。
命にかかわる重大な病気ですので必ずワクチン接種を受けて未然に防ぐようにしてください。
まれに人がウイルスを運ぶことによって直接の接触が無くても罹患することがあります。(手指や靴の裏等)
最近はパルボチェックによって早期に診断がつきますが、パルボの生ワクチンを接種した犬の便には弱毒化したパルボウィルスが排泄されることがあり、これがパルポチェックで陽性に出る場合があります。
またパルボチェックキット作成過程で抗マウス抗体を使用しているものがあるため、この抗マウス抗体を持っている犬の場合はパルボウィルスが便中に排泄されていなくても陽性反応が出る場合もあります。
いずれにしても正確な診断と早期の的確な治療が必須ですので経験と知識の豊富な獣医師にお任せしてください。

ジステンパー:

病犬や保菌犬と直接接触、またはくしゃみやセキによって飛沫したウイルスで空気感染することによって発症します。
主な症状は鼻水、くしゃみ、せき、目やに、食欲不振、嘔吐、下痢等で死亡率の高い怖い病気で、運良く助かったとしても後遺症が残ることが多いです。
必ずワクチン接種を受けて未然に防ぐようにしてください。
人がウイルスを運ぶことによって直接の接触が無くても罹患することがあります。

低血糖症:

子犬で発現しやすい疾患の一つです。血糖値が低くなるために急に元気がなくなって倒れたり、ひどくなるとテンカンの様な発作を起こします。
緊急の場合は糖分の接種(ブドウ糖、無ければ砂糖でも可)により回復しますが、繰り返し起こすことがありますので栄養状態の改善が必須です。

下痢:

食べ過ぎや環境の変化によるストレス、食事の内容が適当でないことによって起こることがあります。
子犬の場合は栄養状態が悪くなり低血糖症を起こすことがありますので長引かせるとよくありません。
寄生虫(回虫、鉤虫、鞭虫)、原虫(ジアルジア、コクシジウム、トリコモナス)、細菌(カンピロバクター)等が原因の場合もありますので整腸剤(ビオフェルミン等)で改善されない場合は必ず獣医師の診断を受けてください。

眼瞼内反症:

まぶたが眼球のほうに内転します。このため眼が充血したり角膜炎が起きたり流涙症を引き起こしたりします。

逆まつげ(睫毛乱生・しょうもうらんせい):


睫毛の生える向きや本数などにより角膜を刺激し発症する疾患で流涙症を引き起こします。
問題のあるまつげを抜いてやることにより改善しますが再発が著しい場合は手術によって治療が行われます。
成長に伴って問題が無くなるケースもあります。

流涙症:

俗に言う「涙やけ」で涙管が閉鎖してしまうため、涙の管を通らずに外に涙があふれ出します。
生まれつき涙管がない場合、細い場合、ただ単に詰まった場合等があります 。
子犬の時は特につまりやすい傾向にあります。

骨折:

高い場所からあやまって転落したり飛び降りたり抱いていて落としてしまうことによって骨折することがあります。
その多くが前腕部に起こります。

生後1歳未満の幼犬は骨の成長過程にあり、特にこの部分が折れやすい状態ですので注意が必要です。
パピヨンは好奇心旺盛で向こう見ずな所がありますのでテーブルに乗らないようにするなど予防策をたててください。

乳歯の残存:


乳歯と永久歯が入れ代わるときに乳歯が残ってしまい歯並びが悪くなることがあります。
放置しておいても自然に抜けることは稀で、歯石や歯肉炎の原因になりますので早めに動物病院で抜歯する必要があります。
抜歯は全身麻酔で行われます。

停留睾丸:

片側、または両側の睾丸が陰嚢の中に認められない病気です。
オス犬のみに発症。
ドッグショー出陳や繁殖には適しません。
ショーや繁殖を考えている場合は早期に両睾丸の確認できる子犬を選びましょう。

【成犬の場合】

膝蓋骨脱臼:

膝のお皿に相当する骨が内側(稀に外側)に滑り落ちる状態になり、ひどくなると慢性的に痛み、跛行を呈します。

先天性網膜萎縮(PRA):

網膜の萎縮により視力が衰え、夜盲症を起こし、最終的には失明します。
現在の所、治療法が見付かっていない。
この病気の多くは遺伝性ですが、後天性の場合もあります。
後天性の場合、外傷や炎症が原因とされています。
PRAは今のところ対応策はないようですので繁殖する上での注意が必要です。

歯石:

歯に歯石が沈着し茶色く変色し、ひどくなると悪臭を生じます。
細菌感染を起こし毒物を飲み込むことにより全身に悪影響を与えます。
心疾患や肝機能の低下などを引き起こすことがあります。

逆くしゃみ:

突然フガーフガーという発作のようなものが立て続けに出る場合は逆くしゃみといわれるものかもしれません。
これはパピヨンにはポピュラーにみられるもので気管虚脱や心疾患と間違って治療をされてしまう事があります。
逆くしゃみは一時的なもので治まった後ケロッとしていることが多いです。
具体的な映像がありますのでここを参考にしてください。
http://www.hiruta.com/

肝機能の低下:

食事や歯石、細菌感染などさまざまな要因で起こりますが、症状が出ないと見過ごすことが多いので健康診断の際に血液検査をされることをお勧めします。
専門の処方食で改善される場合もあります。

膀胱結石:

膀胱結石とは尿中に含まれる何らかの成分が結晶化し、その結晶が雪だるまのように集まり固まって膀胱の中にできる大小さまざまな「石」をいいます。
そのような結晶や結石が尿道内で詰まると尿が体外に排出されず、腎臓に逆流して命にかかわることもあります。
血尿、頻尿、排尿時の痛み。

尿道結石:

膀胱結石はオスメスともにみられますが、尿道結石はオスに多いです。
メス犬の尿道は太くて短いために尿と一緒に体外に排泄されやすいが、オス犬のほうは尿道が長く先細になっているので詰まりやすい傾向にあります。
血尿、尿が出ない、出にくい。

膀胱炎:

細菌感染や膀胱結石などによって膀胱の内壁が炎症をおこす病気で、メス犬に多い傾向にあります。
血尿、頻尿、排尿時の痛み。

その他パピヨンに見られる疾患をまとめたHPがありますので参考のためにご覧ください。

http://www.pet-hospital.org/manu-h4.htm

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